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宿泊・観光業界動向まとめ 2022年11月版

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レポート概要

公開日時2022年12月27日
業種
宿泊
娯楽
サービス
ジャンル
業界別調査レポート

毎月宿泊・観光業界の動向をまとめている「宿泊・観光業界動向まとめ」2022年11月版です。

「ゼロコロナ政策」撤廃へ、中国のインバウンド回復へ期待

中国では、アプリによる個人のリスク管理や、陽性者・濃厚接触者への隔離措置などによる厳しいコロナ対策を行ってきました。しかし、この対策に対する人々の不満が高まり、各地の学生を中心とした「白紙デモ」などが中国国内外に広がることとなりました。

これらの抗議活動を受け、直後から、移動制限など封鎖措置を解除する動きが全国的に見られるようになったほか、公共施設や交通機関を利用する際に求められていたPCR検査の陰性証明の提示や、「場所コード」と呼ばれる移動記録用のQRコードのスキャンなどが次々に撤廃されるようになりました。

措置緩和の一方、12月に入り感染者数が急増しているとの情報もあります。今後の動向が注目されます。

なお、中国政府は12月26日、海外から中国本土に入る際に義務付けているホテルでの強制隔離措置を2023年1月8日から撤廃すると発表しました。中国本土からの海外旅行がしやすくなるため、日本においても訪日中国人客の増加(インバウンド需要回復)に期待がもてます。

※追記:一方で12月27日、岸田首相は中国から日本へ入国する際の水際措置を厳しくする方針を明らかにしており、今後の動向はまた不透明という状況となりました。movでは、引き続き中国・日本双方の入国制限等の最新状況について注視していきます。

<参照> 訪日ラボ:中国「白紙デモ」の衝撃。「ゼロコロナ政策」緩和へ一転、ネット社会が果たした役割とは

中华人民共和国国家卫生健康委员会:关于印发对新型冠状病毒感染实施“乙类乙管”总体方案的通知

NHK:岸田首相 中国コロナ感染拡大で緊急水際措置 30日から実施へ

観光関連で2,555億円、第2次補正予算 カギは「高付加価値化」

国土交通省は11月、令和4年度第2次補正予算の概要を明らかにし、観光関連では「円安を活かした地域の稼ぐ力の回復・強化」として2,555億円を計上しました。

具体的には、コロナ禍からの需要回復と地域活性化を目指し、「地域一体となった観光地・観光産業の再生・高付加価値化」に1,000億円を計上しました。 これに加え、地域一体となった面的な観光地・観光産業の再生・高付加価値化を進めるため、宿泊・観光施設などの改修、廃屋撤去、面的DXなどの取り組みを支援する国庫債務負担行為で500億円を計上しました。

また「インバウンドの本格的な回復に向けた集中的な取り組み」に164億円、「インバウンドの地方誘客や消費拡大に向けた観光コンテンツ造成支援事業」には94億円を計上し、インバウンドのV字回復を図るため、文化、自然、食、スポーツなどの分野で特別な体験や期間限定の取り組みの創出支援、全世界への発信、地方誘客や観光消費拡大の促進などに集中的に取り組むとしています。

このほか、「訪日外国人旅行者受入環境整備緊急対策事業 」には258億円、「地域交通のリ・デザイン」には公共事業関係費で29億円、非公共事業費で777億円を計上しました。

<参照>国土交通省:令和4年度 国土交通省関係 第2次補正予算の概要

世界的ラグジュアリーホテル「ドーチェスターコレクション」、28年に東京で開業

三菱地所と東京センチュリーは11月8日、東京駅日本橋口前に、日本一の高さを誇るタワーとして2027年開業予定の「Torch Tower(トーチタワー)」にウルトララグジュアリーホテル「Dorchester Collection(ドーチェスター・コレクション)」を誘致すると発表しました。

「Dorchester Collection」は、ロンドン、パリ、ミラノなど世界5つの都市における象徴的なホテルを9つ展開しており、世界有数のセレブリティが宿泊する高級ホテルとして知られています。アジアへは初進出です。

東京での開業は2028年を目指しており、「Touch Tower」の53階から58階に110室を構え、オールデイダイニングやスペシャリティレストラン、フィットネスジム、スパ、プールなどの設備が設けられる予定です。 東京湾や都市の夜景、都心の杜から富士山までを一望できるほか、ホテルロビーから続く「SKY HILL」では自然を五感で楽しむことができ、都会のオアシスとして「ここにしかない体験」が提供されるとのことです。

<参照>三菱地所株式会社/東京センチュリー株式会社:日本一の高さとなる「Torch Tower」のホテルに アジア初進出のウルトララグジュアリーホテル「Dorchester Collection」が出店決定

サステナブルな宿泊施設にバッジ配布:楽天トラベル

楽天トラベルは11月21日、国内の登録宿泊施設におけるサステナビリティへの取り組み内容を紹介する「サステナビリティアイコン」を新たに公開しました。

同取り組みは楽天グループが推進する「Go Green Together」プロジェクトの一環となるもので、利用者や宿泊施設に対して旅行におけるサスティナブルへの意識向上を目的とします。 利用者は、 旅行予約の際に各宿泊施設のサステナビリティへの取り組みを理解したうえで、それぞれの旅行スタイルに適した宿泊施設を選ぶことができるようになります。 サステナビリティアイコンは、 「廃棄物」「水資源」「エネルギー」「自然環境」などの8つのカテゴリに分かれています。

今後は、サステナビリティへの取り組みで一定の基準を満たす宿泊施設に付与する「サステナブルトラベルバッジ」も順次公開予定です。

<参照>楽天トラベル:「楽天トラベル」宿泊施設のサステナビリティの取り組みを一目でわかるアイコン化

国際線旅客数100万人超え、2年8か月ぶり:成田空港

成田国際空港株式会社は11月24日、2022年10月の成田空港運用状況を発表しました。 成田空港の10月の旅客数は165万7,978人となり、前年同月比で3.1倍にのぼりました。

日本人や通過客を含む国際線全体では、6.2倍の103万9,116人となり、2020年2月以来2年8か月ぶりに100万人を超えました。 また10月11日から実施された水際対策の緩和により、国際線の外国人旅客数は7.3倍の43万3,768人に急増しました。

2022年10月の国内線の旅客数は61万8,862人となり、前年同月比168%と大幅に増加しました。10月としては過去最高を記録し、コロナ禍前の数値も超えました。

発着回数は、航空機全体で26%増の1万5,030回で、うち国際線旅客便は53%増の6,887回となりました。 旅客需要の復調により臨時貨物便が減ったことなどで、国際貨物便は25%減の3,307回となりました。

<参照>成田空港:2022年10月 空港運用状況

宿泊旅行統計調査(10月分)

国土交通省の観光庁が発表した宿泊旅行統計によると、10月の延べ宿泊者数は約4,425万人泊で、うち外国人延べ宿泊数は216万人泊となっています。

客室稼働率は52.6%となりました。

政府の観光促進策である全国旅行支援による国内旅行の活発化や、水際対策の緩和や円安の影響などによる外国人観光客の増加などにより、宿泊旅行が回復基調にあるとみられました。

今後は、全国旅行支援などの短期対策終了後に顧客離れを起こさない対策も必要と考えられます。 また原材料の高騰による運営コストの増加により、宿泊料金の値上げへの影響も心配されます。

<参照>観光庁:宿泊旅行統計調査

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その他にも、レポートでは宿泊・観光業界の動向をまとめています。

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公開日時2022年12月27日
業種
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