口コミは、美容室での集客に大きな影響を与えます。なぜならヘアスタイルやカラーは一度変えると戻すのに時間がかかることもあり、実際に美容室を利用した人の口コミを参照しながら、慎重に美容室を選ぶ人が多いからです。

そこで今回の記事では、美容室が集客する上で行うべき5つの口コミ対策、注意点やポイントを解説します。

美容室がすべき5つの口コミ対策

美容室が実践できる口コミ対策を4点解説します。

1. Googleマップなど、口コミが投稿できるプラットフォームを整備する

まずは、ユーザーが口コミを投稿したり閲覧したりできる環境を整備します。具体的には、Googleマップ、ホットペッパービューティーなどの美容系口コミサイト、SNSの開設などが挙げられます。

Googleマップや口コミサイトには営業時間やメニューなど正しい店舗情報を掲載し、SNSなら公式アカウントとハッシュタグを作成しましょう。

SNSではお店のイメージに合った動画や画像コンテンツを投稿すると効果的です。頻繁に投稿を続け、ユーザーに関心を持ち続けてもらえるようなアカウント作りが大切です。


2. 口コミの投稿をお願いする

Googleマップや口コミサイトなどを整備したら、次は口コミを増やすための施策です。まずはスタッフからお客様に口コミ投稿を直接お願いするのが効果的です。

来店時だけでなく、来店後1週間以内にメルマガなどを送付して口コミ投稿を依頼するのもよいでしょう。その際は、「髪の毛の調子はいかがですか?」「〇〇のようなヘアケアをやってみてください」などアドバイスも添えながら、最後に口コミ投稿できるURLを添付します。

お客様に直接お願いするときは、口コミを書き込む方法も合わせて説明するなど、投稿しやすいよう配慮することが大切です。

3. 口コミに対して返信し、施術の技術や製品のこだわりもPRする

投稿された口コミに対して返信すると、リピーター作りにも貢献できます。丁寧に返信することで「また訪れたい」という気持ちが高まったり、閲覧しているほかのユーザーにも「お客様を大切にしている」と好印象を与えられたりするからです。

口コミ返信では、来店してくれたことへの感謝の気持ちだけでなく、トリートメント方法など施術内容ごとのアドバイス、次回来店を促すような一言を添えるようにしましょう。

その際、ヘアカットやパーマの特徴や薬剤へのこだわりなど、店舗特有の技術や知識、アイテムについて紹介すれば、PRの場としても活用できます。

4. 悪質な口コミは削除依頼し、放置しない

口コミには、「スタッフの接客が好ましくなかった」「仕上がりが気に入らなかった」といったネガティブな内容が寄せられることがあります。このような口コミを放置してしまうと、ほかのユーザーを不安にさせてしまうので、放置しないようにすることが大切です。

口コミで指摘された点を改善する旨を伝え、不快感を与えた場合は誠実に謝罪して返信しましょう。このとき、攻撃的な言葉遣いは避け、真摯な態度で対応する必要があります。

通常、口コミは美容室側から削除することはできません。しかし、事実ではない口コミ、関係のない内容の口コミ、悪質な口コミの場合は、掲載されているプラットフォームに削除申請できることがあります。放置すると口コミを見たユーザーが悪印象を受けて来店を取りやめる可能性があるため、速やかな対処が必要です。

5. 口コミを参考に、改善できる点があれば早急に取り入れる

お客様の中には、サービスに期待していた分、施術や対応にガッカリして悪い口コミを投稿する場合もあります。

改善点を洗い出し、不満に対して対応することで、リピートにつながる場合もあります。悪い口コミが投稿された場合には、早急に改善策を考えて、口コミに対しても真摯に返信するようにしましょう。

より良いサービスを提供することでお店の評判も上がり、高評価な口コミが集まり、それによって来店する人が増え、またさらに多くの高評価口コミが集まる、という好循環が生まれます。

美容室が口コミ対策をする際の注意点

次に、美容室が口コミ対策をするうえでの注意点を2点解説します。

1. Googleマップの口コミにおいて、特典の付与は違反行為に

Googleマップは、口コミを増やすためにユーザーへ特典を付与することは禁止しています。つまり、「Googleマップに口コミを投稿するとヘアケア商品が〇%オフ」「前髪カットをプレゼント」といったインセンティブは付与できないので注意が必要です。

2024年6月には、消費者庁がインセンティブを用いてGoogleの口コミを集めた医療法人に対し、景品表示法(ステルスマーケティング告示)違反に該当するとして措置命令を行ったことがわかりました。詳しくは「」の記事で紹介しています。あわせてご確認ください。

また、Instagramでもインセンティブの付与は違反になります。

一方でホットペッパービューティーでは、特典の付与を認めています。媒体によって対応が異なるため、把握しておく必要があります。


2. スタッフの自作自演の場合、アカウントが停止されることも

高い評価の口コミを集めるために、スタッフによる自作自演は決して行ってはいけません。Googleマップへの口コミの場合、投稿ユーザーのアカウント情報から自作自演が判明してしまうと、Googleビジネスプロフィールのアカウントが停止されるおそれがあります。

そもそも自作自演の口コミはユーザーを裏切る行為であり、信用を失うため行わないようにしましょう。

美容室の口コミ対策はGoogleマップ集客(MEO)にも効果的!

Googleマップで、「美容室」など何らかのキーワードで検索した場合、どの店舗が上位表示されるかは「距離」「知名度」「関連性」で決定されます。

まず「距離」はユーザーの位置情報によって異なるので、店舗側で操作できない項目です。次に「知名度」はオンラインだけでなくオフラインのブランド認知が必要となるので、Googleマップ上の施策のみでは限界があるといえるでしょう。

最後に「関連性」は、Googleビジネスプロフィールに掲載したビジネス名、カテゴリ、投稿内容、公式サイトの内容などに加えて口コミも影響します。従って、狙ったキーワードで口コミを集めることで、Googleマップで検索された際、そのキーワードで表示されやすくなります。

※こうしたGoogleマップにおける検索順位を改善する対策などを「MEO」と呼ぶことがあります。

たとえば、縮毛矯正について口コミを募集したい場合は、ユーザーに「ぜひ縮毛矯正の感想を書き込んでくださいね」と伝えましょう。ただしその際、公平性が欠けてしまうので「高評価」をお願いするのは避けるようにしてください。