「〇〇Pay」「〇〇ペイ」といった名称の決済方法が多数存在します。これらはQRコードやバーコードを用いて決済するため、「QRコード・バーコード決済(以下、コード決済)」と呼ばれます。

コード決済のシェア率はPayPayが圧倒的であるものの、他はさまざまなサービスが乱立している状態であり、どれを導入すればいいのか迷っている人も多いでしょう。

本記事では、主要6社のコード決済サービスの特長をユーザー目線・店舗目線に分けてマッピングするとともに、各サービスが実施しているキャンペーンについても解説します。

※2021年5月27日追記:PayPayはこれまで決済システム利用料について、無料で店舗にサービスを提供していましたが、2021年10月1日より有料になります。利用料率は8月31日に発表される予定です。

【ユーザー向け】満足度・還元率が高いQRコード・バーコード決済は「au PAY」

ユーザー向けには、「ユーザー満足度」「キャンペーンを除いた基本的な還元率」の2軸でマッピングしました。

ユーザーからの評価が高く、かつ利用金額に応じた還元率の高いサービスがどれなのかがひと目でわかります。

▲[ユーザー向け「Pay」マップ]:編集部作成

ユーザー満足度、還元率がそれぞれ高いのは「au PAY」という結果になりました。

満足度の指標としたのは、MMD研究所「2020年7月 スマートフォン決済(QRコード)の満足度調査」です。

この調査では、各サービスにつき100名が「お得部門」「デザイン部門」「実用部門」「信頼部門」の4つの基準で評価し、それを1000点満点で数値化しており、PayPayが728点で1位、次いでau PAYが726点でした。




サービス名満足度(点)
1位PayPay728
2位


au PAY


726


3位


楽天ペイ


704


4位


d払い


698


5位


LINE Pay


690


6位


メルペイ


687


一方、キャンペーンを除いた基本的な還元率は、au PAYが最大で5%と最も高くなっており、次いでLINE Payが3%となっています。

還元率は累計利用金額などにより変動しますが、マップでは最大の還元率を示しています。




サービス名基本還元率(%)
1位


au PAY


1〜5


2位


LINE Pay


1〜3


3位


楽天ペイ


1〜1.5


3位


PayPay


0.5〜1.5


5位


d払い0.5〜1 ※1%はネットでの決済の場合


6位


メルペイ


0

ただし、期間限定で還元率が高くなるキャンペーンなどを実施しているサービスもあります。また、普段よく利用するサービスとの併用でお得になる場合もあります。検討する際は、各サービスを利用するメリットを比較すると良いでしょう。

以下では、各サービスで現在実施されている主要なキャンペーンを紹介します。

1. PayPay:「超PayPay祭」11月15日まで

PayPayは「超PayPay祭」と題し、11月15日まで複数のキャンペーンを実施しています。

ここでは「秋のPayPayピックアップキャンペーン」と、対象店舗でのボーナス付与の2つを紹介します。

  1. 秋のPayPayピックアップキャンペーン
    :期間中に「PayPayピックアップ」を利用してテイクアウトを行うと、決済金額の20%のPayPayボーナスが付与される

  2. 対象店舗でのPayPay支払いで5~20%のボーナス
    :期間中にマクドナルド、「Coke ON Pay」対応自販機、松屋など対象店舗で「PayPay」支払いをすると、店舗に応じて決済金額の5~20%のPayPayボーナスが付与される

2. 楽天ペイ:Suica設定で最大1,000ポイント、11月30日まで

楽天ペイでは、楽天ペイのSuicaを新たに設定したユーザー、さらに楽天ペイのコード・QR払いを利用したユーザー向けに最大1,000ポイントを付与するキャンペーンを、11月30日まで実施しています。

3. d払い:マイナポイント登録で1,000ポイント付与、3月31日まで

d払いでは、マイナポイント登録でもらえる5,000円分の還元に加えて1,000ポイントが付与されるキャンペーンを、3月31日まで実施しています。


4. LINE Pay:マイナポイント登録でボーナスクーポン、3月31日まで

LINE Payでは「マイナポイントに登録でボーナスクーポンがもらえる!」キャンペーンを実施しています。

マイナポイントにLINE Payを登録すると、マイナポイントの還元分に加えてボーナスクーポンが5枚もらえるキャンペーンです。

5. au PAY:マイナポイント登録で1,000ポイント付与、3月31日まで

au PAYでは、マイナポイント登録でもらえる5,000円分の還元に加えて1,000円ポイントが付与されるキャンペーンを、3月31日まで実施しています。


6. メルペイ:マイナポイント登録で1,000ポイント付与、3月31日まで

メルペイでは、マイナポイント登録でもらえる5,000円分の還元に加えて1,000円ポイントが付与されるキャンペーンを、3月31日まで実施しています。


【店舗向け】利用率が高く、決済手数料が低いQRコード・バーコード決済は「PayPay」

店舗向けには、「ユーザーの利用率」「店舗側の決済手数料」の2軸でマッピングしました。

決済時に利用したいというニーズが多く、かつ手数料のかからないサービスがどれなのかがひと目でわかります。

※わかりやすくマッピングするため、決済手数料は右側が低く、左側が高くなるようにしています。


▲[店舗向け「Pay」マップ]:編集部作成

ユーザーの利用率が高く、決済手数料が低いのは「PayPay」という結果になりました。

利用率の指標としたのは、MMD研究所「2020年7月スマートフォン決済(QRコード)利用動向調査」です。

この調査は18歳~69歳の男女45,000人を対象に行われたもので、結果はPayPayが利用率31.3%で1位、次いで楽天ペイが15.0%でした。




サービス名利用率(%)
1位PayPay


31.3


2位楽天ペイ


15.0


3位d払い


12.0


4位LINE Pay


11.4


5位au PAY


9.3


6位メルペイ


8


また、2020年8月に発表された公正取引委員会の調査ではPayPayのシェア率が55%となっており、数あるコード決済のなかでPayPayが「一人勝ち」している状態だといえます。

さらにPayPayは、店舗側の決済手数料も無料です。累計決済金額1万円以上で都度入金とする場合は105円かかりますが、それでも他の決済サービスより圧倒的に安くなっています。

ただし無料期間は2021年9月までの見通しで、10月以降は決済手数料が有料となる可能性があるため、注意が必要です。

※PayPayの決済手数料が有料となった場合の料率は発表されていませんが、たとえば提携する他社(Alipay)のコードを用いてPayPayの端末で決済する場合の料率は、業界最低水準の1.98%です。そのため、PayPay自体の決済手数料も、相場より低い料率に設定されると推察されます。

以下の表は、店舗側の決済手数料が低い順に並べたものです。




サービス名決済手数料(%)
1位PayPay


0 ※累計決済金額1万円以上で都度入金とする場合は105円 ※2021年10月1日以降、決済手数料が有料となる可能性あり
2位LINE Pay


2.45
3位d払い2.6


3位メルペイ


2.6


5位楽天ペイ


3.24


6位au PAY


3.25

また現在、5社で決済手数料が無料となるキャンペーンが実施されています。


無料キャンペーンを実施しているサービスと、キャンペーンの期間は以下の通りです。

サービス名キャンペーン期間
d払い〜2021年3月
メルペイ〜2021年3月
LINE Pay〜2021年7月
au PAY〜2021年7月
PayPay〜2021年9月

店舗はできるだけ多くの決済方法に対応している方が、来店者の利便性を向上させられます

今回の無料キャンペーンを機会に、各サービスの導入を検討すると良いでしょう。




<参照>

MMD研究所:QRコード決済利用上位6サービスの総合満足度1位は「PayPay」

ーー最も利用しているQRコード決済サービス、トップは「PayPay」で48.7%、次いで「楽天ペイ」が15.7%、「d払い」が13.4%

PayPay公式サイト

楽天ペイ公式サイト

LINE Pay公式サイト

d払い公式サイト

au PAY公式サイト

メルペイ公式サイト