
【業界別】口コミサイトを比較/定番は?集客ツールとして理解しておきたいそれぞれの特徴や強み
記事概要
公開日 | 2020年9月29日 |
---|---|
編集日 | 2024年12月26日 |
カテゴリ |
目次
商品やサービス、店舗を選ぶ際に、対価に見合った商品や体験を得ることができるのか消費者は慎重に選びます。特に首都圏や地方都市では、様々な飲食店や施設があり選択肢が多くなります。
消費者は実際に足を運んで情報収集したり、ネット上の情報を参考にしたりして購入するかしないか、店舗を利用するかしないかを決定します。
この記事では、現代の消費者にとって当たり前であり、かつなくてはならない口コミサイトの役割と、それを生産者や販売者がどのように付き合い、活用していくのかについて解説していきます。
口コミサイトの基本情報
口コミサイトとは、そのサイトのユーザーが実際に利用した商品やサービスの感想を評価できるウェブサイトの総称のことです。
ECサイトやGoogleマップを利用すると口コミが掲載されていることがわかります。
有名なサービスでは、グルメに特化した「食べログ」や電子機器などをはじめとした商品やサービス全般の「価格.com」などが挙げられます。
消費者が口コミを参考に購買活動を行うことがスタンダードになりつつある現代に置いて、サービスや商品を販売している事業者は、この口コミをうまく活かすことで集客の拡大にプラス要素の影響を与えます。
口コミサイトのメリット
実際に口コミを活用するメリットについてさらに解説していきます。
まずメリットの1つ目として、利用する口コミサイトに自社の情報を掲載できることです。
自社サービスの公式サイトが存在していない場合や、古くて見にくいという場合でも、口コミサイトに印象の良いデザインと整理された情報を掲載することができます。
また、口コミサイトに訪れるユーザーは目的がすでに顕在化しているため、購買まで導線を引きやすいというメリットもあります。
2つ目のメリットとして、有料になるケースもありますが、集客施策を一通りそのサイトで行うことができる点です。たとえば、クーポンの発行やターゲットユーザー別のコース設定などが具体例として挙げられます。
予約が入った際にお礼メールを自動で送信する機能が備え付けられた顧客管理機能や、売上管理を行う会計管理機能がついた口コミサイトも存在しています。
そのような多機能な口コミサイトは、本来の目的を超えた価値を事業者に提供しています。
口コミサイトのデメリット
一方、口コミサイトを活用するにはデメリットとなる側面も存在します。
1つ目は、悪い評価が数値化され、視覚化されてしまうことです。
事業者側に問題があった場合は致し方ありませんが、中には嫌がらせに近いマイナスな口コミが掲載されてしまう可能性もあります。運営側に状況を伝えて削除できる場合もありますが、悪い評判が残ってしまう可能性もあります。
2つ目は、競合と上位検索を争う必要があることです。
上位表示を決める要因はいくつかありますが、トータルで投資した広告費用の影響も受けます。資金力でしか勝ちようのない争いに巻き込まれてしまうこともデメリットと考えられます。
飲食店の口コミサイトの比較
これから各分野に特化した口コミサイトの特徴を紹介していきます。
まず始めは、飲食店に特化した代表的な口コミサイト5社を紹介していきます。
食べログ
2005年3月に株式会社カカクコムが運営を開始した「食べログ」は約90万件以上のレストランを掲載し、かつユーザーのクチコミが約3,630万件以上、そして月間約1億647万人以上が利用する日本最大級のグルメサイトです。
「失敗しないお店選び」をコンセプトにした食べログは、本音の感想を集めるため良いコメントや悪いコメントを公開し、中立公正なサイト運営を行っていいます。
ぐるなび
1996年6月に株式会社ぐるなびが運営を開始した「ぐるなび」は、グルメ情報の確認や予約ができることのほかに、他のグルメサイトとは異なり、飲食店の販売促進支援に力を置いています。来てほしい人への直接アプローチや、情報発信や更新の代行などのサービスがあり、人材不足解消や時間の削減などが見込めます。
また、ぐるなびPROという飲食店側のニーズをサイト内で探すことから交渉まで完結できるというサービスが特徴です。
経営、販促ノウハウ
料理、食材、仕入れサービス
ぐるなび大学
経営サポートサービス
新規オープン、リニューアル支援サービス
不動産サービス
上記ようなサービスを提供することで、集客やお店の人手不足を解消したりなど、バックヤード面で店舗の支援をしていることがわかります。
ホットペッパーグルメ
2005年4月に株式会社リクルートライフスタイルが運営を開始した「ホットペッパーグルメ」の特徴は、ネット予約に強いことです。
サービスの強みをその場で予約を完結することができる「即予約」に置いており、「即予約」ができる店舗が4.2万件以上掲載されていることがユーザーにとって魅力があるといえます。
加えて、店舗側も即予約機能があることで、稼働率を高めたり、予約対応の手間を省くことが可能となり、同社を活用するメリットとなります。
Retty
2010年11月にRetty株式会社が運営を開始した「Retty」は、実名投稿機能を搭載し、口コミの信憑性や信頼性の高いグルメサイトとして、競合サイトとの差別化を図っています。
口コミサイトでは誹謗中傷や事実無根の悪い口コミを投稿する方が一定数存在します。「Retty」を使えば、実名であるため根拠のない悪い口コミを投稿される確率が下がり、口コミのデメリットの側面を補える点が店舗側の大きなメリットであるといえるでしょう。
一休.comレストラン
2006年6月に株式会社一休が運営を開始した「一休.comレストラン」の特徴は、掲載する店舗を高級店に限定し、お祝い事や記念日に利用したいと考えるユーザにとって利用しやすいサービスとしてのポジションをとり、競合と差別化を図っています。そのため、店舗側は予算が高い顧客の集客へとつなげることができる点が、同サービスを利用するメリットとなります。
結婚式場の口コミサイトの比較
消費者のニーズを細分化し、競合との差別化を図りながらサービスを展開している結婚式場の口コミサイトについて紹介してきます。
ウエディングパーク
1999年9月に株式会社ウエディングパークが運営を開始した「ウエディングパーク」は、全国約4,500の結婚式場が掲載されており、日本最大級の結婚式場クチコミ情報サイトという位置付けです。条件検索で好みにあった式場を選択できる点がユーザーにとって利便性が高く、かつ口コミや写真も充実しており、役立つ情報が揃っている口コミサイトとなっています。
掲載数が多いため、競合は多くなりますが、一方で予約を検討している顕在層の集客力も高いサービスとなっています。
みんなのウェディング
2008年2月に株式会社みんなのウェディングが運営を開始した「みんなのウェディング」の特徴は、1.5次会に最適な式場が見つけやすいという点です。
利用者のニーズに対して、ピンポイントに応えることができる点が競合との差別化になっています。
そのため自社会場を1.5次会用として提供する場合、同サービスに掲載することで、ユーザーのニーズに訴求しやすく、成約率も高くなると考えられます。
ゼクシィ
1998年1月に株式会社リクルートが運営を開始した「ゼクシィ」は、「プロポーズされたらゼクシィ」のコピーで一躍有名になりました。結婚式の式場探しだけでなく、お金のことや結婚後の手続きなど結婚を考えた際に必要な情報に全てアプローチできる点が独自の強みとなっています。
購買欲がまだ低いユーザーの集客に役立つといえるでしょう。
認知拡大チャネルとして広告を展開する活用方法も、同サービスの利用方法の1つとして検討することができます。
Hanayume
2016年11月に株式会社エイチームブライズが運営を始めた「Hanayume」は、式場のイメージ検索機能や、割引による販促でユーザーを集めることを強みにしたサイトとなっています。
割安な価格で集客し、回転率を高めていきたい場合、利用を検討するとよいでしょう。
結婚式場お下見ナビ
株式会社ハートツリーウェディングが運営している「結婚式場お下見ナビ」の特徴は、運営会社が直接プロデュースする式場で式を挙げた方のレポートがコメントと写真で掲載されているため、現場の雰囲気を事前にイメージしやすいことが同社の強みとなっています。
自社が保有している式場の雰囲気が強みとなる場合、ユーザーへ訴求できるツールとして有効なサイトとなります。
美容院・エステ・リラクゼーション系の口コミサイトの比較
美容やエステ、リラクゼーション系に特化した口コミサイトも紹介していきます。
ホットペッパービューティー
2007年4月に株式会社リクルートが運営を始めた「ホットペッパービューティー」の特徴は、国内最大級の知名度とヘアサロンやリラクゼーション、エステ、サロン等の美容関連の総合予約サイトという点です。店舗登録数が豊富で、ユーザーにとって様々な選択肢から検討できるという点が魅力的です。
集客力に強みがあるサービスのため、認知拡大に貢献することができる一方で、競合との競争に巻き込まれる可能性も高いサービスといえます。
楽天ビューティー
2014年12月に楽天株式会社が始めたのが「楽天ビューティー」です。
楽天カードを利用している方にとっては、楽天ポイントがたまりやすくなるため、当サイトで検索し、予約することがメリットとなります。そのため、楽天ユーザーの集客に強みを持っています。
EPARKビューティー
2016年2月に株式会社EPARKビューティーが運営を始めた「EPARKビューティー」は、予約することでEPARKポイントがたまる点と、美容に関する悩みを解決できるコンテンツが豊富であることが強みとなっています。
同サイトを訪れるユーザーは、美容に関する何らかの悩みを抱えている方が多いと考えられます。そのため、診断やヒアリングに強みを持っている事業者は、ユーザーのニーズに合ったサービスを訴求しやすくなります。
ヘアログ
株式会社ノーマリズムが運営をしている「ヘアログ」は、美容室の口コミに特化している点が特徴です。他には、ヘアモデルと美容師をマッチングさせる機能や、美容師の転職に関わる情報を提供していることも他サービスにはない特徴となっています。
同サイトに掲載することで、ヘアモデルを集客しやすくなります。ヘアモデル不足に悩む事業者にとっては、ヘアモデルを探す手間を抑えて集客できる点が魅力となります。
旅行(宿泊)系の口コミサイトの比較
では最後に、旅行や宿泊に特化した口コミサイトを紹介していきます。
フォートラベル
2004年1月にフォートラベル株式会社が運営をはじめた「フォートラベル」は、旅行情報のコンテンツが充実していることが特徴です。
旅行者のクチコミと投稿上位者ランキングから人気の観光スポットを検索し、行きたい場所を探せる点がユーザーにとって魅力的なポイントとなっています。宿の認知拡大チャネルとして同サイトを活用することも1つの手です。
じゃらんnet
2000年11月に株式会社リクルートが運営を開始した「じゃらんnet」は、宿泊施設の検索機能だけでなく、季節やシーンにあった特集ページから宿泊施設を検索できる機能が特徴となっています。
様々なニーズを持ったユーザーに、自社の施設を訴求できることがメリットになります。
トリップアドバイザー
TripAdvisor, Inc.が運営する「トリップアドバイザー」は、世界的に影響力のある旅行サイトです。
ExpediaやBooking.comなどの他サイトでの予約料金と、同社のサイトの価格を比較できることが強みです。
訪日外国人の集客を強化したい事業者は同サイトを活用するとよいでしょう。
楽天トラベル
2001年3月に楽天トラベル株式会社が運営を開始した「楽天トラベル」の特徴は、旅行の目的別検索や、お得なキャンペーンの実施、そして楽天カードユーザーは楽天ポイントが溜まりやすいといった点がユーザーから支持を得ているサイトになります。
同サイトはキャンペーンを頻繁に行うため、価格を重視したユーザーの集客に特徴があります。稼働率をあげたい事業者にとって、同サイトのキャンペーンに乗ることで集客の拡大につながる可能性があります。
るるぶトラベル
2007年3月に株式会社 JTBが運営を始めた「るるぶトラベル」は、サイトに登録してある宿泊施設が全国1万3,000以上を超え、またクチコミ評価の高い旅館やホテルをランキング形式で検索できる機能が強みとなっているサイトです。
口コミ対策の体制がある事業者や、サービスの満足度に自信がある事業者は、同サービスとの親和性は高いといえます。口コミの上位で表示することができれば、集客の拡大につながります。
一休.com
1998年7月に株式会社一休が運営を開始した「一休.com」は、高級ホテルや高級旅館を中心に掲載しており、高級路線というポジションで他社サイトと差別化を図っています。高級感でブランディングしていきたい事業者にとっては相性がよいサイトとなります。
Expedia
AAE Travel Pte Ltdが運営する「Expedia」は、国内だけでなく、海外の宿泊施設の予約ができます。また、宿泊施設だけでなく、移動手段やツアーを一緒に予約できるため、ユーザーの利便性が高いサイトとなっています。トリップアドバイザーと同様に、訪日外国人からの集客を強化したい場合は同サイトを活用するとよいでしょう。
Booking.com
1996年にBooking.com B.V.が運営を開始した「Booking.com」の特徴は、国内や海外宿泊施設の料金を比較した上で、予約できるという点が強みとなっている宿泊予約サイトです。
価格の比較になるので、低価格に強みを持った事業者や、コストパフォーマンスに強みを持った事業者は、同サイトとの親和性は高いといえます。
店舗にあった適切な口コミサイトで集客を
消費者による生の感想や声が未来の消費者の購買行動に大きな影響を与える現代において、口コミサイトの存在は重要となってきています。
一方で、ただやみくもに導入を進めることは危ない行為といえます。口コミサイトを利用する上で考えられるデメリットを事前に理解することが必要です。
また自社サービスと相性がよいサイトを選ぶことが中長期的な集客施策を考える上で大切です。

口コミアカデミー編集部