欧州連合(EU)の行政執行機関である欧州委員会のヨウロバー副委員長は2023年9月26日、欧州各地で選挙が迫っていることを踏まえ、「オンラインプラットフォームに対するディスインフォメーション(偽情報)対策の強化」を要請する声明を発表しました。

FacebookやGoogleなどの各プラットフォームがディスインフォメーション(偽情報)対策に積極的に取り組んでいる一方、偽情報の手法も高度化して対策が困難になりつつあるとしています。

また、各プラットフォームのディスインフォメーション(偽情報)対策について言及するとともに、X(旧Twitter)は「ディスインフォメーション(誤情報)の投稿比率が高い」プラットフォームであると批判された形となりました。


ディスインフォーメーション(誤情報)について

欧州委員会は2018年12月にディスインフォーメーション(偽情報)対策の行動計画を策定しました。現時点ではFacebookやGoogleなどといったプラットフォーム事業者や広告関係団体の44者が署名し、ディスインフォメーション(偽情報)対策に積極的に取り組んでいるとされています。

一方、ディスインフォーメーション(誤情報)の発信者は新たな方法を模索し、デジタル化が進むにつれてその手法も高度化しているため、プラットフォームにおけるディスインフォメーション(偽情報)の情報操作がますます困難になっていることも付け加えています。

各プラットフォームのディスインフォーメーション(誤情報)対策

主要なオンラインプラットフォームは、ディスインフォメーション(誤情報)対策に積極的に取り組んでいます。

以下は一部のプラットフォームの取り組みの具体例です。

YouTube

2023年1月から4月までに、YouTubeはロシア国家が支援する400以上のチャンネルを削除しました。

また、国の資金提供によるプロパガンダサイトにリンクされている約300のサイトから広告を削除しました。

Meta

ファクトチェックの提携先を26社に拡大するなど、ファクトチェック体制を強化しています。

TikTok

TikTokのファクトチェックの取り組みは、ロシア語、ウクライナ語、ベラルーシ語、そして17のヨーロッパ言語をカバーしており、戦争に関連する832本のビデオがファクトチェックされ、そのうち211本が削除されました。

X(旧Twitter)はディスインフォメーション(誤情報)の投稿比率が高い

一方で、X(旧Twitter)はディスインフォメーション(誤情報)の投稿比率が高いプラットフォームの一例として言及され、ディスインフォメーション(誤情報)の発信者がそうでない発信者よりも多くのフォロワーを抱えることや、登録歴が浅いなどの特徴があることが明らかになったと伝えています。

<参照>

European Commission:Press statement of Vice-President Jourova on the meeting with the Code of Practice on Disinformation Signatories