地図アプリ(マップアプリ)は外出時の経路確認だけでなく、利用店舗を決める際にも活用されています。スマホを見ながら、外出中に次の訪問先を決めるということも珍しくありません。

ユーザーは現在地からの距離やマップに表示される店舗の評判を確認し、その店舗を利用するかどうかを判断しています。店舗や施設は、マップアプリ上で自社の情報がどう表示されているかを把握することが大切です。

この記事では、GoogleマップやYahoo!地図をはじめとするマップアプリの特徴を整理します。

※Googleマイビジネスは、2021.11.5よりGoogle ビジネスプロフィールという名称に変更されました。
これに伴い、2022年にスマートフォン向けGoogleマイビジネスのアプリが終了します。
アプリ終了前に、これまでと同じように快適に使えるよう今から準備しておきましょう!

1. Google マップ

Googleマップ▲Googleマップ:編集部作成

Google マップは、地図・旅行情報カテゴリーのメディアでもっとも使われているサービスで、月間約4,700万ユーザーとなっています(2020年5月実施、ニールセンデジタル株式会社の調査結果より)。

地図を表示させ、目的地を入力すれば、周辺情報がピンから確認できます。また現在地からの経路も確認でき、進行方向にしたがって経路を案内してくれます。

Googleマップには音声案内もついているため、カーナビとしても利用されています。

Googleマップでは、店舗の基本情報だけでなく、口コミや5段階の評価も確認できます。店舗や施設、事務所のオーナーは、Googleマイビジネスを通じて口コミへの返信が可能です。

口コミは、Googleユーザーであれば誰でも投稿できますが、口コミを投稿したユーザー向けに「ローカルガイド」プログラムがあります。ローカルガイドになると、Googleの新機能をいち早く利用できるなどの特典を受けられるほか、口コミの投稿件数等に応じてバッジが獲得できるメリットがあります。こうしたプログラムは、ユーザーが口コミを投稿する動機づけにもなっています。

またGoogleマイビジネスを使って、Googleマップ上の店舗の情報を編集・更新できます。GoogleマップやGoogle検索の結果に反映される最新情報を投稿したり、提供しているサービスについての情報を設定したりできます。Googleマイビジネスを利用し投稿したり編集したりするには、オーナー申請を完了している必要があります。

2. Yahoo!地図

Yahoo!地図▲Yahoo!地図:編集部作成

Yahoo!地図は、ヤフーが提供している地図サービスです。月間約870万ユーザーが利用しています(2020年5月実施、ニールセンデジタル株式会社の調査結果より)。

スマホ向けアプリの名前は「Yahoo!マップ」の名称で提供されています。Googleマップと異なり、カーナビは別アプリとなっています。

Yahoo!地図に掲載される店舗情報は、Yahoo!プレイスという公式ツールから入稿できます。店舗や施設の管理者はこのツールを利用して情報を管理します。

Yahoo!地図では、ユーザーに独自の検索サービスを提供しています。たとえば「クーポン」と検索すると、現在地周辺のクーポン対応店舗が表示されます。また「PayPay」と検索すると、現在地周辺のPayPay支払い対応店舗が表示されます。

Yahoo!マップ「PayPay」検索結果▲「PayPay」検索結果:Yahoo!マップ

またYahoo!地図では、ラーメンマップという独自の取り組みも行なっています。ラーメンマップを使うと、全国約6万軒のラーメン店の中から、味やジャンル、特徴、評価などで店舗を絞り込み、ユーザー好みのラーメンを地図上で見つけられます。ここからルート検索にも直結できます。

Yahoo!地図は2021年7月のアップデートで、詳細地図のエリアを全国に拡大しています。詳細地図では、道路や建物、河川や海岸線、さらには駅や線路などの形状に加え、歩道や道路の広さなども詳しく表示されます。

実際の道をイメージしやすく、今後観光などでも役立てられるシーンが増えると考えられます。

<参照>
Yahoo! MAPに「ラーメンマップ」機能。店探しからルート検索まで - Impress Watch
Yahoo!カーナビ - 最新の地図と丁寧な案内

3. Apple Maps

Apple Maps▲Apple Maps:編集部作成

Apple Mapsとは、iPhoneなどのiOS端末に標準で搭載されている地図アプリです。端末の画面上では「マップ」と表示されることもあります。

Apple Mapsで表示された店舗情報には、電話番号、営業時間などの基本的な情報のみ掲載できます。また、店舗情報の下には、ユーザーの口コミが表示されます。

口コミや写真は、食べログやトリップアドバイザー、じゃらんなどの口コミサイトに投稿されている内容を表示しています。2021年4月にはユーザーが口コミを投稿できる機能が確認されましたが、今のところ、投稿しても公開はされないようです。

Googleマップ同様、知らない間に自分の店舗が登録されていることもあります。店舗や施設の情報を管理するには、管理ツールであるApple Maps Connectを利用します。

4. Bing Maps

Bing▲Bing:編集部スクリーンショット

Bing Mapsは、Microsoftが提供する地図検索サービスです。パソコンのウェブブラウザ「Microsoft Edge」に標準設定されている検索エンジン「Bing」からも利用できます。

Windowsのパソコンでは初期設定でこの検索サービスが立ち上がるようになっており、これをそのまま使う層により活用されていると考えられます。

検索結果の表示には複数のパターンがあります。Googleに切り替えると交通状況や鉄道路線図、Yahoo!に切り替えると雨雲レーダーの確認ができ、さまざまな用途に対応しています。

Bing Mapsに登録されている店舗数はまだ少ないことが特徴です。事業者は、Places for Businessという機能を通じて、Bing Maps上に掲載されるビジネス情報を管理できます。

すでにBing Maps上にビジネス情報が掲載されている場合は既存のリストを要求し、新しくビジネス情報を追加する場合は新しいリストを追加して、情報を管理できます。事業者はビジネスの名称、サービスの写真、営業時間などの情報が管理できますが、日本語版には未対応である点には注意が必要です。

5. Instagramの地図機能

▲Instagram地図検索機能▲Instagram地図検索機能:編集部作成

Instagramは地図アプリではありませんが、外出時の訪問先についての情報収集に活用されているSNSです。2021年6月からは、地図検索機能の提供を開始しました。

地図検索機能では、投稿に紐づけられた「場所」を通じて、投稿画像を確認できます。

店舗は位置情報を登録しておけば、店舗公式アカウントのプロフィールや投稿に位置情報を掲載でき、ユーザーが店舗を見つけやすくなります。

店舗公式アカウントだけでなく、ユーザーが店舗の場所を追加して投稿してくれることもあります。これらは地図検索の結果に表示されます。

「検索」タブの地図から訪問先エリアを表示し、関心のあるキーワードを入れると、それに関連した店舗情報と投稿が確認できます。ユーザーの投稿に含まれる素直な感想や、消費者目線での魅力の伝達により、来店意欲を高める効果も期待できるでしょう。

<参照>Instagram、近隣の人気スポットを検索できる地図検索機能を導入 - Facebookについて

6. NAVITIME

NAVITIME(地図)▲NAVITIME(地図):編集部作成

<参照>
地図・ルート検索 - NAVITIME
法人向け地図・店舗検索パッケージサービス | NAVITIME Location Cloud

NAVITIMEは乗り換え検索アプリとして知られています。ユニークユーザー数は5,100万人と、日本でも有数の乗り換え検索サービスです。渋滞情報の確認など、有料プラン(年間4,800円)で利用できるサービスがあります。

NAVITIMEもGoogleマップのように、地図を表示させた状態でルートや場所を検索することができます。地図にはカテゴリから目的地を探す機能がついています。

地図では道路が見やすく表示されているため、ナビゲーションとしての役割をユーザーに重点的に提供しているといえるでしょう。

またNAVITIMEではGoogleマイビジネス等他サービスと自動連携のできる、店舗情報登録のサービスを展開しています。