
顧客体験(CX)とは?マーケティングへの活用事例をわかりやすく解説
目次
顧客体験(カスタマーエクスペリエンス:CX)とは、顧客が製品やサービスに興味を持った時点から、購入して利用し続けるまでの体験すべてを指します。
商品・サービスが大量にあふれ、差別化が難しい今、顧客側もモノの価値より体験を重要視する傾向が強くなっています。
この記事では、なぜ顧客体験が重要なのか、顧客体験を向上させてマーケティングに活用するポイントについてわかりやすく解説します。
顧客体験(CX)とは?
顧客体験は、英語で「CX(Customer Experience)」とも表現される言葉です。
顧客が商品やサービスに興味をもった時点から、最終的に購入し、アフターサービスを受ける時点までのすべての顧客と企業の接点のことを指します。
顧客体験(CX)を重視すべき理由
現代では多くの業界において、機能や性能などの価値で差別化することが難しくなっています。つまり、顧客にとっては「どの会社を利用しても同じ」という状態になっているのです。
そこで多くの企業が行っているのが「経験価値」による差別化です。
経験価値とは、『経験価値マーケティング』の著者であるバーンド・H・シュミット氏によれば、以下の5つに分類されるものとなっています。
Sence(感覚的)
Feel(情緒的)
Think(知的)
Act(行動、ライフスタイル)
Relate(社会的)
その「経験価値」による差別化を行う具体的な施策となるのが顧客体験の向上です。つまり、顧客体験とは商品やサービスが飽和した状態においては「唯一の差別化ポイント」なのです。
顧客体験(CX)とユーザーエクスペリエンス(UX)の違いは?
顧客体験(CX)とは、顧客と商品・サービスが初めて接触したところから、実際に顧客が商品を購入して、アフターサービスを受けるまでのすべての接点のことを指しています。
ユーザーエクスペリエンス(UX)とは、商品やサービスを通して得た体験のことを指した言葉です。
顧客体験の一部として、ユーザーエクスペリエンスが含まれているということを意識しておくと、意味を混同することなく覚えられるでしょう。
顧客体験(CX)を向上させる方法
顧客体験を向上させるためには、以下の4ステップが効果的です。
現在の顧客体験を分析する
NPS®を導入する
PDCAサイクルを回す
顧客体験向上の意識を社内に共有する
1. 現在の顧客体験を分析する
顧客体験向上のためには、まず現在の顧客体験を分析するところから始めましょう。
現状を知らないことには「どの部分を改善すべきなのか」「どの部分は継続すべきなのか」が判断できず、顧客体験向上のために行った施策が逆効果になる可能性があります。
具体的には、以下の項目をまとめるべきです。
どんな顧客接点があるか
顧客はどんな行動をしたか
顧客はどんな心情になるか
顧客と商品・サービスとの関わりを可視化する「カスタマージャーニーマップ」を活用してもいいでしょう。
2. NPS®を導入する
NPS®とは、「Net Promoter Score(ネットプロモータースコア)」の略であり、企業やブランドに対しての愛着度や信頼度という「顧客ロイヤリティ」を数値化したものです。
顧客満足度とは違い、NPS®は業績と相関関係があることから、顧客体験の評価・分析・改善に役立てられています。つまり、NPS®を向上させることが業績の向上につながるのです。
NPS®の導入支援ツールはさまざまあるため、自社にマッチしたものを選びましょう。
3. PDCAサイクルを回す
自社での分析やNPS®を利用した分析によって顧客体験の改善点が理解できたら、実際にPDCAサイクルを回しながら顧客体験を向上させていきます。
まだ明確な改善点が把握できていない場合には、追加でアンケートやインタビューを行いましょう。
顧客体験の正解は1つではありません。常に改善点に向き合い続け、顧客がどんなものを求めているのかを考え抜き、いつでも最適な顧客体験を提供できるよう準備する必要があります。
4. 顧客体験向上の意識を社内に共有する
顧客体験向上の手段や方法が決定したら、その意識を社内に共有し、浸透させます。
顧客と接点を持つ部分におけるそれぞれの担当者が顧客体験向上の意識を持っていなければ、実際の顧客体験向上は実現しません。机上の空論で終わらないためにも、社内での意識共有には力を入れましょう。

口コミアカデミー編集部